No.159 (20世紀の文化)  : 

「20世紀の知識人は時代とどう関わったか?」

実存主義哲学者のサルトル(仏)は対独レジスタンスに参加,作家のロマ
ン=ロラン(仏)は第一次世界大戦に際して平和運動を展開し,トマス=
マン(独)はファシズムに反対した。作家のヘミングウェー(米)・オー
ウェル(英)・マルロー(仏)はスペイン内戦に義勇兵として参戦し,立
体派(キュービスム)の画家ピカソ(西)は独軍のゲルニカ爆撃を非難し
た。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

対独レジスタンスに参加した実存主義哲学者のサルトルや,スペイン内戦
に義勇兵として参戦した作家のヘミングウェーについて,大きな関心を持
ちながら学習に臨んでいる。

思考・判断:

二度の世界大戦や社会主義革命を背景に,さまざまな知識人がそれぞれの
時代状況と切り結びつつ,ピカソの「ゲルニカ」が代表するような,永遠
の価値を宿した作品が数多く生み出されたことについて,的確に判断して
いる。

資料活用の技能・表現:
フランスの作家ロマン=ロランの『ジャン=クリストフ』の巻頭言「いず
れの国の人たるを問わず,苦しみ,闘い,ついには勝つべき,全ての自由
なる魂に捧ぐ」を読み,この作品が20世紀初めの第一次世界大戦に向かう
帝国主義時代に書かれ,戦争2年目の1915年にノーベル文学賞を受賞した
ことを知り,9.11事件以後,世界が新たな戦争の時代に突入した感のある
現在にこそ,この作品が訴えるヒューマニズムを真摯に受け止める必要性
を感じている。

知識・理解:
平和を訴えた作家のロマン=ロラン(仏)とトマス=マン(独)や,スペ
イン内戦にともに義勇兵として参戦した作家のヘミングウェー(米)・オ
ーウェル(英)・マルロー(仏)などについて,基本的な知識を身につけ
ている。